間違ったニキビ治療の思い込み

ニキビを治療する時に多くの人が昔聞いた話しや思春期の治療経験をもとに自己診断でニキビをケアしていきます。果たして、その考え方は本当に正しいといえるのでしょうか。
世界的にみても日本人のニキビ治療に対する意識は低く、自己治療でなんとかしようと考える人が多い傾向にあります。
その自己治療が正しいものであればニキビは治っていきますが、なかなか治らなかったり悪化してしまったりするようであれば治療法が間違っているのは明らかです。
ただそんな思い込み治療の実験台に自分の肌を使用していては、なかなか治るものも治らなくなってしまいます。

ニキビ治療で皮膚科に通う人はどれくらいいる？

ニキビ治療で皮膚科に通う人が実際どれくらいいるのかというと、実はニキビに悩んでいる人の２０％から３5％くらいしかいません。
テレビのCMで「ニキビは皮膚科で」というのが流れてから、ニキビ治療で皮膚科に通う人は確かに増えましたが、それ以前に思春期だけのものというイメージや、市販薬で治すものというイメージが根強いため、ニキビ皮膚科に通わない人の方が多いのが現状です。
そして、自己治療でどうにもならない人や悪化の限りを尽くしてしまった後に皮膚科へくる人がほとんどです。
ただ悪化してしまった後に皮膚科に行っても、望み通りの肌の状態まで戻すのに相当時間がかかってしまったり、すぐに治らないことを治療がすすまないように感じてしまったりして、皮膚科でもニキビが治らないと感じる人もいます。
ニキビをいかに早く治すかは、どれだけ症状が進行する前に皮膚科に通えるかで変わってきます。自己判断で市販薬での治療を進める前に一度皮膚科で専門家に診てもらうことが非常に大事です。

ニキビ皮膚科って言っても普通の皮膚科と同じように淡々と診察するだけでしょう？

ニキビ皮膚科に通う人の中には、医師の通常と変わらない診察に対して不満を抱く人もいます。特に、ニキビが悪化してから皮膚科に行く人の中には「どうしてこんな状態になるまで放っておいたの？」とか「どんな生活習慣を送っているの？」「何か悩み事でもあるの？」などと聞いてほしい人もいます。
ニキビに特化していない皮膚科では通常の診断と同じように、淡々と診察をして処置を行い、薬を処方するところもあります。
多くの人が悪化するまでニキビ皮膚科に行かないということもあり、医師にとってはむしろそういう状態の人がほとんどだからです。また、悩み事などに関してはカウンセラーというわけではないのでプライバシーなどから聞かないところもあります。
もちろん、皮膚科によってはしっかりそういったところを聞いてくれるところもあります。自分がどういう診察を受けたいのかを含めて事前にしっかり口コミなどで皮膚科内の評判をチェックし、自分の希望に沿う方針で治療してくれる皮膚科を選ぶようにしましょう。

本当のところ、皮膚科でニキビがキレイになるの？

ニキビも皮膚病の一つです。皮膚病を治していくのは皮膚科なので、もちろんニキビに関しても適切な治療を行っていきます。
皮膚科での治療のメインは現状のニキビの原因をなくしていくことです。ニキビの状態に合わせてホルモン剤治療を行ったり、投薬治療を行ったりしてキレイな肌を取り戻していくことを目的としています。
ただ、皮膚科での治療は医学的見地によるものなので、そもそものストレスの原因やホルモンバランスが崩れてしまうような原因を解決することはできません。
これは治療を受ける本人が皮膚科での治療と合わせて自分で取り組んで行かなくてはいけないポイントになります。
皮膚科に頼るのは医学的な面からのアプローチで、精神的な面に関しては本人が治していかないことにはどうにもなりません。食生活やストレス、睡眠時間などをしっかりと見直し、ホルモンバランスが乱れないように取り組んでいくことが重要です。

ニキビ皮膚科とエステの違いってなに？

ニキビ治療で皮膚科ではなく、エステに通う人がいます。エステの方が美容に特化しているのでニキビ治療も皮膚科より効果があると考えているようですが、あくまでもエステでのニキビ治療は美容的観点からになります。
皮膚科で医師が行うニキビ治療とエステでのニキビ治療では大きな違いがあります。
それは、医師が使える薬や機器は国が許可したもので医師の診断の元に行われており、たとえ同じ機器がエステで使用されていたとしてもそれはエステティシャンが使える程度にレベルを下げた機器だと言うことです。
つまり、皮膚科では最大限の治療効果を得られるのに対して、エステではレベルを落としたものしか受けられないということです。
高額なエステ費用を払っても効果レベルを落としているので、皮膚科での治療に比べて時間がかかってしまいます。

ニキビって放っておいても治るものでしょう？

思春期ニキビなどを経験している人に多いのが、ニキビは放っておけば治るという考え方です。月経周期や成長ホルモンなどに合わせて出来るようなニキビは確かに、一過性のものの可能性も高く、通常の生活の中で治ってしまうこともあります。
しかし、大人ニキビなどは一過性のニキビではなく、最初は１カ所だったニキビが気付いた頃には顔面全てに広がっているということもあります。
経験からの自己診断でニキビは放っておいても治るなどと考えていると、取り返しのつかない状態になることもあります。１、２度自己治療をしても治らないようであれば、皮膚科に通って早い段階で治療をしていくことが非常に重要です。

ニキビに対しての思い込みあるあるに心当たりの合った人もいたかもしれません。ニキビが出来てしまったときにいきなり自己判断を下すよりも、先に一度皮膚科での診察を受けてみて、それから医師の治療と合わせて生活面での自己治療を行っていくという方法をとってもいいのではないでしょうか。
ニキビが出来たことを後悔するようになるのは、肌が衰え始めるようになってからです。それまでは目立たなかったニキビ跡なども年を重ねるごとにどんどん目立つようになってきます。
間違った自己判断を下さないためにも、皮膚科でニキビ治療をしっかりと行っていきましょう。