ニキビの原因となるアクネ菌について

ニキビ皮膚科に通うようになると必ず医師から説明されるのが、アクネ菌についてです。ただ皮膚科ではアクネ菌が増殖してニキビが出来ると聞くことはあっても、アクネ菌がなんなのか詳しく教えてくれないところもありますよね。確かにアクネ菌が無くなればニキビがなくなりますが、アクネ菌がどこから来て、どうしてニキビになるのかを知っておくことでよりニキビの治療が行いやすくなります。

知らないと危険！アクネ菌は誰の肌にも存在する菌

そもそもアクネ菌とは一体どういった菌なのかをご存知でしょうか。アクネ菌は実は誰の肌にも存在している常在菌と言われる菌の一種です。常在菌というのは普段から人のカラダに住み着いている菌で、代表的なものには腸内にある善玉菌、悪玉菌などがあります。
常在菌は普段は特に悪さをすることもなく、カラダの中で腸のバランスや肌のバランスなどをコントロールしていて、正常なバランスを保つためには必要な菌です。
ニキビ治療を行うときアクネ菌を全て除去することがニキビ改善には必要のように思っている人も多いですが、ニキビ皮膚科ではこのアクネ菌が悪さをしてしまう環境を改善していくことが重要だと考えています。

アクネ菌が悪さをしてしまう環境

アクネ菌は皮脂を好み酸素を嫌う性質があります。アクネ菌は特に皮脂が多い場所に住み着く特性を持っていて、さらに皮脂がたまった毛穴は角栓で蓋をされているので酸素が届くこともなくアクネ菌にとっては住み心地が最高の場所になるというわけです。
この皮脂がたまった毛穴からは次から次に新しい皮脂が排出されているので、アクネ菌は食べるものに困りません。毛穴の中でどんどん増殖を続けて、皮脂が炎症を起こしてしまうようになりニキビが出来てしまいます。
ニキビ皮膚科で初期のニキビに対して行われる面ぼう圧出はまさにこのアクネ菌の性質に着目した治療法です。面ぼう圧出はアクネ菌が入り込んでニキビを発生してしまうような毛穴に対して、角栓を摘出してニキビが出来ないようにしていくことができます。

アクネ菌が悪さをする前の初期ニキビなら炎症を防ぐことが出来る

ニキビが出来る初期の状態、角栓がつまり皮脂がたまっている状態ではアクネ菌が好む環境というだけで、アクネ菌が既に悪さを始めている状態ではありません。この段階であれば炎症や肌にダメージを与えることなく、アクネ菌の増殖を抑えることが可能になります。
アクネ菌が増え始めて遊離脂肪酸が酸化されることによって炎症が起こり、ニキビが出来てしまいます。
アクネ菌が増える前にビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質でケアすることが出来ればニキビは防ぐことが出来ます。ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質は化粧水などで肌に浸透させることも出来れば、投薬として飲むことも可能です。
ニキビ皮膚科がこの初期の段階のニキビに対して外用薬やビタミンなどの投薬を処方してくれるのは、抗酸化作用による治療が最も効果的だからです。

皮脂が過剰になくてもニキビが出来る理由は肌のバリア機能低下

アクネ菌にとって毛穴に詰まった皮脂は格好の餌食だということはよく分かりましたが、脂が少ない乾燥肌でもニキビが起こることがあります。アクネ菌が繁殖しにくい肌でなぜニキビが出来てしまうのでしょうか。
肌が乾燥状態になると肌細胞は正常な細胞を維持できなくなり、細胞が痩せて角質がバラバラと剥がれ落ちやすくなってしまいます。正常であれば肌の免疫力もしっかりとあり、トラブルが起きないようにバリアが保たれている状態ですが、このように非常に危険な状態になると、肌は自らSOSを発し肌を守ろうと働きます。そうするとホルモンバランスが崩れてしまい、男性ホルモンが皮脂分泌を促進するようになります。
免疫力の下がった肌に皮脂が分泌されると、通常量のアクネ菌でさえ肌が敏感に反応してしまいます。そして免疫力の下がった肌でどんどんニキビが出来てしまうようになります。

アクネ菌がどういう状態か、肌の状態がどういう状態かを素人で判断するのはなかなか難しいものですよね。ニキビ皮膚科ではしっかりとアクネ菌の状態と肌の状態を判断しながら治療を行っていくことが出来るので、市販のニキビ薬よりも効果が早くキレイに治療が行うことが出来ます。
なかなかこれだけの説明をニキビ皮膚科で時間を割いて行ってくれるところは少ないですが、ニキビを作るアクネ菌がどういったものかを知っておくことで治療への心構えも変わってくると思います。
正しい知識を持ってニキビを治療していくことが、ストレスなくキレイな肌を手に入れるポイントになりますよ。